ロバート・ブラシュケ(Robert Blaschke)2004年のアメリカ

  次のページ

  一次翻訳
 2004 年 11 月 6 日・合衆国の太陽と土星の合-ジョージ・ブッシュとテカムセの呪い
 2004 年 6 月 11 日、停滞する逆行の天王星が合衆国の進行の天王星に対して正確なスクエアを形成する影響の下、 30 年に一度のタイミングで、経過の土星が合衆国の太陽と合を形成する。前回、 1974 年から 1975 年にかけて続いた三回の合の期間では、 1974 年 8 月 9 日、最初のコンジャンクションの当日、ニクソン大統領がウォーターゲート事件の隠蔽工作スキャンダルを原因に辞職している。ベトナム戦争を終結に導いたサイゴン陥落は、 1975 年 4 月の三回目のコンジャンクションから 1 週間後のことだった。アメリカ史中でも禍々しいこの時期は、おおよそ、合衆国の進行の太陽が冥王星に合を形成した 10 月 25 日、 1972 年のニクソン再選キャンペーンの期間中に端を発する。ニクソン政権の冥王星的パラノイアと卑劣な方法は歴史上の語り草となり、支配と操作、権力の乱用で最低の深みに沈み込んだアメリカ大統領の姿を露呈したのだった。

筆者は、次回、土星が合衆国の太陽を経過する期間中、ブッシュ政権の汚点となる同レベルのスキャンダルが到来する、とは予想しない。今後の数ヶ月間、アメリカ経済に対する舵取り、そして巨額の財政赤字を生んできた手腕の程について、彼は厳しい批判に曝されることになるだろう。執筆の時点で、大統領は、イラクが大量破壊兵器を所持していたという情報機関の主張を調査するための独立委員会結成にちょうど同意したばかりだ。この主張が、かかる戦争の主要な大義名分の一つだったためである。政治論争のさなか、同時に懸念されるのは、大統領の健康問題だ。6月には、一週間の間に、大統領の進行の太陽が出生の火星に対して完全な合を形成し、また土星が出生の太陽を経過する。すなわち、大統領は心臓発作あるいは脳卒中の危険が高い時期に突入するのである。

何十年もの間、占星術家達は、合衆国大統領が在職中に死亡または暗殺され、その大統領が木星・土星の地のエレメントにおける合の期間に選出されていた場合の「テカムセの呪い」現象について研究してきた。アメリカ史におけるこの尋常ならざる部分を調査すると、ショーニー族の長・テカムセが部族の政治的な統合を目指した 1802 年、地のエレメントにおける最初の合が発生していたことがわかる。彼は、その他の地域の部族が合衆国連邦政府に対して土地を売却するのを阻止するため、説得を試みていた。当時、合衆国はアレゲーニー西部を急速に拡大し、領土は現在の現在の西ペンシルバニア・オハイオ・インディアにまで届くまでになっていた。

テカムセの兄弟で、シャーマンであると同時に部族の精神的な指導者であり、「予言者」として知られていた人物が、 1811 年、インディアナ準州知事ウィリアム・ヘンリー・ハリソンの部隊との小競り合い中に殺害された。 1811 年 12 月、イリノイ州ニュー・マドリッドで巨大地震が発生し、それによってミシシッピ川の流路は変化している。この地震が起きたのは、活動サインの強力なイングレス度数、蟹座・山羊座 0 度で木星・土星のオポジションが形成された時期だった。伝説によれば、この地震は、当時すでに亡くなっていたシャーマンが、霊的な段階から怒りを爆発させたものだといわれる。テカムセは 1812 年の戦争中、アメリカに対抗するカナダのイギリス軍と共に戦い、戦闘中に合衆国の兵士によって殺された。伝説では、 1839 年 5 月 11 日、「予言者」の死から土星が一周した時、新しいショーニーのメディスン・マンによって「グレート・ホワイト・ファーザー」、すなわちアメリカ大統領に対する呪いがかけられたともいう。以来、歴史のパターンは繰り返されてきた。

在職中に大統領が死亡するパターンは時計仕掛けのように発生している。それに対応するのは、 20 年ごとに発生する木星-土星の地のサインでのコンジャンクションである。元インディアナ準州知事ウィリアム・ヘンリー・ハリソンは 1840 年、合衆国大統領に選出され、 1841 年の就任直後に死亡した。その後、アブラハム・リンカーンは 1860 年と 1864 年の二回選出され、 1865 年に暗殺された。続いて、ジェームス・ガーフィールドは、 1880 年に選出され、 1881 年に暗殺された。その次のウィリアム・マッキンレーは、 1896 年と 1900 年に選出された後、 1901 年に暗殺された。

二十世紀に歩を進めると、ワレン・ハーディングが 1920 年に選出され、 1921 年在職中に死亡している。フランクリン・ルーズベルトは 1932 年・ 1936 年・ 1940 年・ 1944 年に大統領として四期選出されたが、彼の三回目の選挙は 1940 年に牡牛座で木星・土星がコンジャンクションを形成した時期で、彼は 1945 年、在職中に死亡している。最近では、ジョン・ケネディが 1960 年に選出され、 1963 年に暗殺された。ロナルド・レーガンは 1980 年に選出され、同年 12 月 19 日に天秤座 09 度で起きたグランド・コンジャンクションが風の星座に移行したため、 1981 年、暗殺の企てから命を助かった。レーガン氏は呪いを解いたのか?あるいは、コンジャンクションが風のエレメントだったがゆえに、彼は命拾いしたのか?ゼロの年( 2000 年)に、そしてもっとも最近の地のエレメントでのグランド・コンジャンクション中に選出されたブッシュ大統領は、在職中に亡くなるだろうか?

ここで、一つの重要かつシャーマニックな問いが浮上する。呪いが始まった地点はどこなのか、そして、呪いが有効な期間はいつまでなのか。筆者の持論では、呪いはアストラル段階から放たれるのであるから、海王星によって支配される。海王星の軌道は太陽の周囲を完全に一周するのに 165 年を要する。理論上は、この年数が、ひとつの呪いの有効期間を区切るはずである。賢明な占星術家の諸氏は、 1839 年 5 月 11 日、ショーニーのメディスン・マンがアメリカ大統領に対してかけた伝説的な呪いのその日から、今年 2004 年で 165 年が経過し、海王星の正確な一巡を経過した点に着眼するだろう。細かく見るならば、 1839 年、テカムセの呪いのチャートにおける海王星は水瓶座 12 度 37 分、今年 10 月 24 日の海王星はちょうど水瓶座 12 度 36 分で、一分以内のアークに滞在するのである!

さらに奇妙なのは、「テカムセの呪い」のチャートでは木星が天秤座 09 度 44 分で逆行しているが、これは 1980 年 12 月、ロナルド・レーガン大統領選出時のグレート・コンジャンクションとまったく同じ度数だということだ。 1981 年、ジョン・ヒンクレーの手で狙撃され、危うく命を落としそうになったロナルド・レーガンが命拾いしたのは、木星のスピリチュアルな守護ゆえの、そしてまた、 1839 年と 1980 年の木星の位置の信じ難い一致ゆえのことなのか?

 「テカムセの呪い」のチャートで今年の海王星回帰をさらに深く考察すると、水瓶座 12 度は、シブリ・チャート( Sibly chart 、注 1 )における合衆国の月と冥王星の強力なミッドポイントだということが判明する。筆者が記したように、海王星は現在この度数にある。この一致を分析するのは多少気味が悪く感じられるかもしれないが、海王星は晩秋、最後にこの度数へ順行で回帰する。人はこう問うかもしれない。ブッシュ大統領は今でも呪いの影響下にあるのか?

定かだとは言い切れないが、筆者の本能的な直観では答えはイエスだ。過去数年間、筆者は、合衆国の進行の太陽―水星が合するサイクルについて研究した。 2003 年 9 月 12 日、 106 年間で初めて、逆行する合衆国の進行の水星と、合衆国の進行の太陽が、水瓶座 28 度 51 分でコンジャンクションを形成した。この度数は、 2002 年から 2003 年にかけて天王星が位置した度数だ。合衆国の進行図で太陽と逆行の水星が最後にコンジャンクションを形成したのは、合衆国が米西戦争に先立って外交政策を変更した 1897 年 6 月、蠍座 11 度においてのことだった。アメリカは 1898 年、スペインのキューバ占有に対して宣戦布告し、スペイン艦隊をマニラで撃沈した。この軍事上の衝突の要点は、アメリカの西半球でのすべての問題に対する統治権の主張であり、歴史家の一般的な見解では、合衆国が真に超大国となったのはこの時である。

1898 年のパリ条約で、スペインは、キューバ・プエルトリコ・グアム・フィリピンを 2 千万ドルで合衆国に割譲した。ウィリアム・マッキンレー大統領による外交政策決定と、ブッシュ大統領によるそれの間には歴然とした類似がある。ブッシュ大統領は、「テロリズムに対する戦争」や先制武力行使政策などで、攻撃続行のための軍事力行使を正当化する。そして、アルカイダのメンバーらテロリストが再度蜂起し、罪なきアメリカ市民に対してこれ以上の苦痛を与える前に、彼らを殺害しようとする。ブッシュ氏がそうであるように、マッキンレー大統領もまた、テカムセの呪いの条件を満たす大統領であった。先述の通り、彼は 1900 年第二期目の再選を果たした後、 1901 年、木星-土星が地のエレメント・山羊座 14 度でコンジャンクションを形成し、合衆国の太陽度数である蟹座の 13 度に対向した時に、暗殺された。ブッシュ氏も、同様のカルマ的代価を払わなければならないのだろうか?

C.E.O. カーターの「出生図の法則( Nativity Rule )」を適用してみよう。基本的な法則は、出生図で示されていない事柄にはいかなる方向性も与えられない、というものだ。(「占星学の法則」 The Principles of Astrology, London, England: Theosophical Publishing House Ltd., 1925, p.160 )この法則に対する例外は、実質上存在しない。ブッシュ氏の出生の太陽は火星に対してセクスタイルで、セコンダリー・プログレッションの太陽はこの出生の火星とコンジャンクションを形成しているので、優先権のあるプログレッションとして適格である。加えて、カーターの「刺激の法則( Law of Excitation )」を適用してみよう。進行の天体が進行座相でその他の天体にアスペクトしている場合、この天体のそれぞれが経過で二つの進行の天体のそれぞれとアスペクトを形成するならば、このトランジットは進行座相をただちに刺激し、作動に導く(同書より)。進行の太陽が彼の出生の火星に合する時は完璧に近いので(土星が 6 月 11 日に合衆国の太陽を経過するちょうど 5 日前の 6 月 6 日、また土星がブッシュ氏の太陽を経過するちょうど 8 日前の 6 月 14 日)、経過の太陽あるいは経過の火星のどちらかが、出生の太陽-進行の火星の活動サイン 13-15 度でのスクエア、あるいは進行の太陽-出生の火星の柔軟サイン 9 度でのコンジャンクションに対して、第八ハーモニックのアスペクト( 0 度、 45 度、 90 度、 135 度、 180 度)を形成する時期を算出してみよう。

これより、ブッシュ氏のホロスコープの中での進行と出生の太陽および火星の活動に対する経過のトリガー(エキサイター)は、経過の太陽あるいは経過の火星のどちらかで、発生度数は活動サインの 13 度から 15 度(出生の太陽と進行の火星のスクエアに対して、経過でコンジャンクション、スクエア、オポジションを形成)、あるいは、固着サインの 28 度から柔軟サインの 0 度(出生の太陽-進行の火星のスクエアに対して経過でオクタイル・セミオクタイルを形成)、または、柔軟サインの 9 度(出生の太陽・進行の火星のスクエアに対して経過でコンジャンクション、スクエア、オポジションを形成)、あるいは、活動サインの 24 度(進行の太陽と出生の火星のコンジャンクションに対して経過でオクタイルまたはセミオクタイルを形成)、そして最後に、活動サインの 24 度(進行の太陽-出生の火星のコンジャンクションに対して、経過でオクタイルあるいはトリオクタイルを形成)となる。最後の度数域は、ブッシュ氏の垂直軸、すなわち彼の出生の MC ・牡羊座 24 度 12 分に対する引き金になると同時に、出生の IC ・天秤座 24 度 12 分に対するトリガーともなる。また、彼の出生の火星は、 MC に対して正確なトリオクタイル、 IC に対して正確なオクタイルを形成する。

彼の進行の太陽は出生の火星とほぼコンジャンクションで、彼の出生の太陽を土星が経過するのは、ブッシュ氏を待ち受けている最も危険な時期、 6 月 14 日の 8 日後である。今後、 2004 末までの間、彼が心臓発作、脳卒中、あるいは暴力被害の最高危険域に入るのは、

A )  2 月 17 日- 19 日
B )  2 月 28 日
C ) 3 月 19 日- 21 日
D ) 4 月 3 日- 4 日
E )  4 月 13 日
F )  5 月 19 日- 20 日
G )  5 月 28 日- 31 日
H )  6 月 14 日
I )  7 月 5 日- 6 日
J )  7 月 16 日
K )  8 月 8 日- 10 日
L )  8 月 21 日- 25 日
M )  9 月 1 日
N )  10 月 6 日- 8 日
O )  10 月 17 日- 20 日
P )  11 月 2 日- 3 日
Q )  11 月 20 日- 22 日
R )  12 月 1 日
S )  12 月 23 日- 26 日


以上の日時は、経過に対する出生、または経過に対する進行で太陽と火星を含む第八ハーモニクスのアスペクトが形成される時期であり、C.E.O.カーターの出生図の法則と刺激の法則、およびR.P.Blaschkeの著作「占星学 人生の語 第一巻(Volume I ? Progressions of Astrology: A Language of Life ※注2)」を同時に満たす。 筆者の確信では、5月28日から31日にかけて、そして6月14日は、彼にとって最も危険な時期である。6月6日には、ブッシュ氏の進行の太陽は出生の火星とのほぼ正確なコンジャンクションまで接近し、6月11日には、経過の土星が合衆国の太陽に、6月14日には氏の太陽に接近する。

最初の 4 日間では、経過の火星がブッシュ氏の出生の太陽にコンジャンクション、経過の太陽が彼の進行の太陽にスクエア、経過の太陽が出生の火星にスクエア、経過の火星が進行の火星にスクエアを形成する。対する 6 月 14 日には、経過の火星が出生の火星に対してオクタイル、経過の火星が進行の太陽に対してオクタイル、そして経過の土星が出生の太陽に正確なコンジャンクションを形成する。さらに 6 月 14 日には、経過の冥王星がブッシュ氏のサウス・ノードに正確なコンジャンクションを形成する。占星術家達はこれまで常に、魂が肉体を去る時、死に際して、トランジットかセコンダリー・プログレッションかを問わず、木星の立ち会いが存在することを発見してきた。今年、木星は、ブッシュ氏の出生の火星および進行の太陽の双方と完全なコンジャンクションを形成する位置にある。何が起こるかは神のみぞが知る所であり、筆者はここで筆を止めておくことにしよう。

※ 注 1  英国の占星術家シブリ( Sibly 、 1751-1800 )が作成した合衆国独立宣言署名時のチャート。 1776 年 7 月 4 日午後 10 時 10 分を署名の時刻とした( The Celestial Science ofAstrology, 1780 )。
※注 2  本文中では“ Volume I ? Progressions of Astrology: A Language of Life ”だが、“ Astrology: A Languageof Life Vol.1 Progressions” Robert P.Blaschke, Earthwalk School of Astrology だと思われる。
>> TOP
CLOSE